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July 13, 2007

「手に取るようにわかる」大学で勉強する方法?

学生: すいません、レポートが書けませんでした。
教員: それで……どんなリアクションをお望み?
学生: 何もいわず、無条件で許して下さい。
教員:  (゚Д゚)ハァ?
学生: では、お説教を聴きますので、それで勘弁して下さい。
教員: そもそも、どうしてきみはレポートを仕上げることができなかったのだろう?
学生: それが、なんというか、うまく集中できなくて……。
教員: 受験生時代はちゃんと勉強していたのだろう?
学生: そうですね……大学に入ってからダメ人間になったようで……やはり、座禅とか寒風摩擦とかビリーズブートキャンプとか、何か努力した方がいいんでしょうか。
教員: レポートを書くにせよ、期末試験の対策をするにせよ、やはりそれなりに集中して取り組まないと無理なのだけど、大学に入ってからそういうことができなくなってしまうという学生は結構いるようだね。とりあえず、以下の四つについて自己診断してごらん。

1.どのぐらいの時間、勉強したか: 過去一週間、一ヶ月の自分の生活を振り返り、机に向かって集中した時間は一日平均どのぐらいかを算出してみる。
2.どのぐらいの量を、勉強したか: 過去一週間、一ヶ月の自分の生活を振り返り、読んだ頁数、書いた字数は一日平均どのぐらいかを算出してみる。
3.どんなことを考え、記憶したか: 過去一週間で自分がどんなこと考えたか、どんな新しい知識(言葉とか人名とか)を得たか、想い出してみる。
4.自分はどのような学習環境、学習習慣を持っているか: 自分の毎日の過ごし方を想起しつつ、どのような時間帯、環境、条件の下で自分が集中して学習に取り組めているかを想い出してみる。
学生: ……憂鬱になりまふ。
教員: うん、ぼくも憂鬱になるから考えないようにしていることなんだけど……。しかし、他の学生がちゃんと提出できているのに、自分だけレポートが書けなかったり、あるいは期末試験の準備がうまくできなかったときには、やはりちょっと考えてみた方がいいのではないかと思う。特に、大学に入って、一人暮らしなんて始めると、環境とか習慣が大きく変わるから、それは必ずいろんなことに影響するからね。「ちゃんと頑張らなかったからだ」と自虐的になったり、「逃げちゃダメだ」なんて精神主義的な自己暗示に頼るのではなく、環境と習慣を見直した方が有益だと思うよ。無論、環境が整えば必ず集中できる時間を確保できるわけでもないのだけど。
学生: ……でも、せんせいなんだから、環境を整えよ、みたいな話ではなくて、もっと「楽に本が読めて、レポートが書ける方法」とか「集中しなくても勉強がはかどる方法」を教えてくれてもいいような気がするんですが。というか教えて下さいよ。
教員: しかし、たとえば毎日昼前に起床して、テレビで、いいとも→ごきげんよう→ワイドショー→ドラマの再放送……みたいな生活をしていては、勉強どころではないだろう(実はぼく自身の学生時代の生活なんだけど)。あと、騒音等の事情で自宅とか下宿での学習環境を確保できないのであれば、図書館とかファミレスとかで勉強する習慣を身につけるしかないだろう(ちなみに、ぼくの論文とか翻訳のかなりの部分はミスドとかマックで書いたものだ)。あまり知られていないのだけど、A・W・コーンハウザー(『大衆社会の政治』の人ではない)『大学で勉強する方法』(amazon)という本の巻末にまとめてある「効果的な勉強のためのルール」11箇条には次のようにある。
1.あなたの教科を修得するという希望を持ち、いつか習得するんだと決意しなさい。明確な希望を持ちなさい。あなたの義務と責任をきちんと自覚しなさい。貧弱な勉強の結末とよい勉強の報酬との違いを認識しなさい。
2.あなたの決意を実践に移しなさい。以下の方法は役に立つであろう。……
(d)その教科に集中しなさい。ぼーっとしないように注意しなさい。気を散らす要因から身を守りなさい。そして、あらゆる機会にしっかりとした自分を取り戻しなさい。
(e)あなたの勉強を妨げる、あなたの性格的な問題に目を向けなさい。それらに知的に対処すること。悩んだり、くよくよしつづけるのはやめなさい。信頼できる友人や専門の相談員からすぐれた助言を受けなさい。見せかけの解決や自己防衛的な説明によって自分自身を偽ってはならない。……
4.あなたの勉強を妨げる、気を散らす要因をすべて避けなさい。それは、騒音、ぎらぎらした光、不快な感情、緊張、必要以上の休養、などである。
5.しっかりとした日々の勉強のスケジュールを作りなさい。作業計画を立てなさい。勉強のための時間と場所を組織化する習慣を作りなさい。……
11.活動的に勉強しなさい。あなたの知識を使って、いま学んでいることについて考え、話、そして書きなさい。できるだけ多く、そしてできるだけ早く、あなたの知識を利用しなさい。
学生: なんだか激しいですね。
教員: うん、ぼく自身は、大学の存在意義の一つは「ぼーっと」過ごせるということにあると思っていて、こういうオブセッショナルな感じの話はあまり好きではないのだけど、大学で勉強したい何かがあるのなら、結構ためになる本かもしれない。この11箇条の部分をコピーしていつも携帯し、毎朝読み返すと何かが変わるかもしれない。いうまでもなく「楽に本が読めて、レポートが書ける方法」とか「集中しなくても勉強がはかどる方法」は書いてないけどね。

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