講義と演習@20091214_1224
伝説(?)のFM番組「サウンドストリート」のアーカイブ(公開は2010年3月末までらしい)を聴きながら頑張る師走後半。中学生だった頃から大学に入るまでずっと聴いていたので、すべての声に聞き覚えがある。特に記憶に残っているのが烏丸せつこ担当の水曜日。前任者の甲斐よしひろを贔屓にしていたので「なんでこんな奴が甲斐さんの後に?」とか怒りながら第一回を聴いたのだが、あっという間にファンになってしまった。このアーカイブでは、なんとその衝撃の第一回も、ゲストに松田優作を迎えた回(厨房だったぼくは『探偵物語』を親に叱られながらこっそり観ていた)も、筑紫哲也がゲストの回(中二のぼくにとっては「この面白いひと、誰?」だった)を聴くことができる。
@20091215火
○2限 政治学2 レポート課題図書解説。
○4限 西洋政治思想史 復習テスト。欠席者には代替措置を指示(講義用ウェブページを見よ)。
○5限 ゼミ 『ハムレット』の結末とか、シュミット『ハムレット』論の真意は何なんだという困った問い。前者については、たぶんハムレット的なものへのシェイクスピアなりの批判、後者については、『ハムレット』を執筆したシェイクスピアに対するシュミットなりの自己投影というようなことを考えてみてはどうかと。
『ハムレット』をそのように読むということは、エリオットが "dissociation of sensibility" と呼んだもの(「感受性の分裂」――「知性」と「感性」が分裂し、もはや「思想」を「ばらの匂いのごとく感じる」ことができなくなったという一七世紀英詩に見られる思想風土 climate of opinion の変化――については、とりあえず英語版のウィキペディアの当該項目を参照)をハムレットのパーソナリティに投影してみるということであるし、トリリングが「誠実」(自己認識と世界認識の調和)から「ほんもの」(世界認識と自己認識の分裂と対立→世界への懐疑と憎悪、自己の探求と不安)への転換と呼んだ再帰的近代の隘路を既にシェイクスピアは『ハムレット』において見事に描き出していたという見立てでもあるし、ハムレットという原理主義者をホレイショーという物語のひとが看取るという、なんだか『1Q84』とも通底するような作品として『ハムレット』を読む試みでもある。
シュミットのハムレット論も、まああの主観主義批評――シェイクスピアの作家としての主観的な想像力とか読者がそこから読み取る主観的な印象を重視する鑑賞――に対するシュミットの激烈な罵倒から察するに、シュミットが言いたかったのは「てめえら、偉大な悲劇ってのは、主観性なんていうつまんねえ次元を遙かに超えたところで生起するんだよ」ということなのではないかと思う。そしてそれは、それはある種の居直りでもある。(誰かこのハムレット論のシュミットと小林秀雄を繋げてくれないだろうか。)
@20091216水 定例SM。某件で、講座のことは講座内でという不文律が……。いや、ちゃんとやらせて頂きますが。
@20091217木
○3・4限 政治と経済 フェミニズム。『ドラえもん』を事例に、ジェンダー・バイアスを再生産する家父長制という話が前半。後半はギリガンのコールバーグ批判。ハインツのディレンマは食いつきがよい。なのに、どうしてコールバーグもギリガンもちゃんとした邦訳が出ないんだろうか。
○7限 政治学演習II 三人の報告のはずが、一人欠席。いろいろ不安を感じるが、仕事が忙しいから欠席、体調が悪いから欠席と言われれば「そうですか、お仕事大変ですが、頑張って下さい」とか「お大事に」と応えるしかない。
終了後、忘年会に。某くんご推薦の居酒屋へ。驚くべき安さ。寿司とか刺身(しかもどれも美味しい)がこの値段というのは……。
@20091222火
○2限 政治学2 フェミニズム。やはり練習してからしゃべると楽。
○4限 西洋政治思想史 フェミニズム。上に同じ。
○5限 『1Q84』班の中間報告。割といい感じに仕上がってきた。
昼ゼミの忘年会は実施せず。大半のゼミ生が翌日の公務員試験模試の準備をしたいというのであれば、まあ仕方がない。
@20091224木 3・4限 政治と経済 レポート課題図書解説。
終了後、新幹線に乗り、相方と某所で合流。居酒屋で熱燗と鍋。駅の売店で買ったケーキを割り箸で。ただ、夜空には幾つもの星が。指さして「あれがデネブ、アルタイル、ベガ……」と言ったら、「今は冬だ」と一蹴される。
クリスマス当日は代休だったが、某年報を受け取りに職場へ。恒例の学界展望は......otz あと、非常勤先から忘れ物が一件あるとメールが......orz
帰宅して年賀状の準備。喪中が二年間続いたので住所録の管理がずさんに。いろいろ見ていると、赴任した翌年の夏に合同合宿授業で知り合った他大学の学生(当時)の某くんからの賀状が。当時はまだ20代で、いろんなことに悩まされる前の、教員としての夢と希望に充ち満ちていた時代であった。しかしあれから14年、ひとは必ず歳をとるのである。自分なりの年相応を考えなければならない。
年内はこれでおしまい。

